BtoBでビジネスをされている企業であれば、何かに困っているであろうお客さん予備軍の方から、自社に相談してもらうようにしたいという考えは、どこの会社でも一度は思うことだと思います。
黙っていても、自社サイトからお問い合わせがじゃんじゃん来るのであれば、誰も苦労しないのですが、これからインバウンドマーケティングを取り組もうとされる企業であれば、そう簡単にいきません。
前職はSEOコンサルの会社だったので、そこに限った話で言えば、SEOの取り組み方に困っている企業のWeb担当者の方や、責任者の方に、まずはその解決のヒントを伝えるリアルな場を作ろうということで、セミナーの開催を考えました。
以下、個人の妄想フェーズから開始
これまでは無料SEOセミナーを実施
ウチは以前からセミナーを無料で開催していました。
これまで行ってきた無料セミナーの目的は、業務内、業務外で繋がった方々に対し、SEO関係の情報発信を定期的に行う場として開催されていました。
毎回30人前後の参加者の前でセミナーをしていたと記憶しています。
純粋に、SEOを生業とする企業の情報発信の場としての開催用途で、
その後営業に繋げるといった考えは無かったんですね。
(今思うと良心的な会社だなと。。。)
でも、自分がイメージしたセミナーはこのやり方ではなく、
有料で対価を頂くセミナーを開催するという考えから始めました。
というのも、無料セミナー時代からウチのセミナーの内容は、
「これで無料だなんて信じられない」、
「お金を取れるレベルの内容だ」、
と、ありがたい感想を頂戴する程、講師陣は気合を入れてやっていたんですね。
当時私はそれを傍目に見て、対価を頂くセミナーを開催すべきだとずっと思っていました。(自分も数度登壇しました。)
無料→有料SEOセミナーへ変更
なので、セミナーを有料開催する!と決めました。(自分の中で)
無料セミナーは一定数のキャンセルがどうしても発生することが、過去の開催で経験していたことも有料に変更する理由の一つでした。
単に、参加者情報の一覧を集めるという目的で、営業メンバーが後日申込者へメールや電話で営業を掛ける社内体制があれば、無料開催はもちろんアリだと思います。
でも私はそれを選ばず、SEOで本当に困っている企業のWeb担当者の方、責任者の方にセミナーに参加して頂き、必要だと感じて頂ければセミナー後に個別に行う、無料相談まで参加頂きたいと考えました。
本気で困っている方なら、有料のセミナーから何らかのヒントを得ようと参加されるだろうという考えのもとでの決断でした。
実はこの根拠は自分自身の体験から来ているもので、
本当に困っていて、周りに誰も解決策や知見を持っている人がいなければ、対価を払って、書籍やセミナー、スクールから情報を短期間で得る!
ということを実践してきたことからきています。
参加者は数10名→10名以下へ
次に参加者の人数を10人以下にしました。
有料セミナーを少人数で開催です。
これは講師と参加者の距離を縮めることと、それにより参加者の方が講師に話しかけやすい空気を作ることを期待してのことでした。
今回のセミナー開催の目的は、講師がセミナーを上手くこなすことがゴールではなく、SEOで困っている参加者の方に、セミナーを通して何かしらのヒントを持ち帰って頂くのがメインの目的。
ヒントを得るために必要な質問をしやすい環境を作るために、講師と参加者との距離を縮める、参加者数を絞る、こうすることで質問しやすくしようと考えました。
これを実現するには数10人規模のセミナーではなく、講師が目の届く範囲で対応できる参加人数がベストだと判断しました。
ここでようやく関係者にセミナー開催方針を共有
セミナーでお金を頂くという講師の不安を取り除く
ここまでは、自分の妄想というか考えを膨らませた結果こうしていく!と勝手に決めていったのですが、これらを共有し面を食らったのは講師を務めるコンサルタントの面々です。
「お金取るんですか!?」
最初にコンサルタントから受けた反応はこうでした。
これまで無料開催のセミナーしか経験してこなかった為、自分たちがお金を頂くに値するセミナーを本当に行えるかどうかについて非常に不安を抱えていました。
でもこれは仕方ありません。対価を頂くセミナー経験がこれまで経験していなかったんですから。
中には、お金を頂ける内容を提供する自信が無いと言っていた者もおりました。
(今となっては懐かしい話です)
自慢じゃないですが、私はこれまで数千円から数十万まで、大小様々なセミナーを自腹切って参加してきて、参加費に見合ったセミナーも、微妙、、、と思ったセミナーも色々経験してきました。
人前で話す経験はそれほどではありませんが、セミナーに参加する側ではプロフェッショナルだと思っています。
(単にノウハウコレクターなだけじゃん、というツッコミはしないで下さい)
その自分から見ても、ウチのコンサルタントがこれまで実施してきたセミナーのクオリティはお金を頂くに値すると判断したのです。(モチロン身内自賛です)
とは言え、そうは言っても講師本人たちは不安の顔。。。
そこでセミナー設計に私も関わるようにし、資料作成もプレゼンもマンツーで協力し、フィードバックして作っていきました。
結果として、参加者の方からは一定の評価を頂いていたと自負しております。
そして回数を重ねるごとに、各人本番に慣れていき、お金を頂くことへの不安はいつのまにか何処かに行ってしまっていましたね。
ここまで書くと、有料セミナーにシフトして上手く行ったように感じますが、実際はそうではありませんでした。
次回は有料セミナーを継続開催していったその先に、どういう改善が必要となっていったかについてお伝えします。
まとめ
・無料セミナーは、社内に後追いの営業体制が無ければオススメしない
・社内に営業体制が無いからこそ、有料セミナーに変更
・セミナー参加者は少人数開催にし、講師と参加者の距離を縮めるようにした
・セミナーの目的を情報発信から、課題解決のヒントを提供することにシフトした
・講師自身に対価を頂くに値する内容を発信しているという自信を持たせる