はじめに
獲得した名刺情報をもとに、ほぼ何も考えずにテレアポやメール攻撃をして、
相手に嫌われてしまう企業が無数に存在します。
先日もオンライン商談サービスを提供している企業から、電話とメールでそれぞれ連絡がありました。
最初は電話だったのですがその際に、
「ウチは既に御社のサービスを利用している。そこに営業電話してくる事自体、ナンセンスだと理解してないの?」
と伝えたのですが、今度は別の人から会社の問い合わせフォーム宛に営業メールを送ってくるという残念っぷりで、
広告などでどれだけサービス認知を高めたとしても、その後の対応が雑だと全部台無しだよなと感じてしまいました。
これを反面教師としていかなければいけないなと思った次第です。
さて今日は、リード情報をどうやって充実させるのかについて書きます。
「なぜ」リード情報を充実させる必要があるのか?
テレアポやメールで顧客対象となる企業にアプローチしている会社の取り組みを、
何社から話を聞かせてもらったところ、何も考えずにやっているところが結構多いなという印象がありました。
ここで言う何も考えないというのは、相手の都合を何も考えていないという意味です。
電話の場合、
自社のサービスを売り込みたいから、とりあえず電話して名刺交換した相手に取り次いでもらう。
電話先の相手に、相手の都合もあまり考えずに自分とこの製品やサービスの話をする。
ダメだったら次の会社に電話する。
それの繰り返し。
メールの場合、
名刺交換した相手にメールする。
内容は定型文の挨拶と、何か有りましたらお問い合わせください的な、形だけのお礼メール。
その後は、定期的にサービスの案内を一方的に送り、その後は電話という流れ。
これで商談が生み出せるのは、よっぽど交換する名刺の数が多い業種業界で、
且つそれだけを専門職で行う部隊が社内もしくが外注できるところだけだと思います。
それでも、商談につながる確率は低いはずです。
これと同じことを中小企業がやったところで、本当に今やっているその活動って正解なんでしょうか?
※あ、ちなみにこの記事を含む全ての記事は、中小企業の事業責任者に向け、
潤沢な販促予算も、人もいない前提での取り組みについて書いてます。
だから、潤沢な金と人を持っている会社と同じことをしても、
結果を出すには相当な時間と労力を必要とするんです。
そういう会社と同じことをしないためには、交換した名刺の情報だけを頼りにしてはいけないと私は考えます。
リード情報を充実といっても「なにを」増やしたらよいのか?
テレアポに必要なトークスクリプトを作るにしても、
自分たちの商品サービスを売り込むだけのスクリプトを作っても全く意味が無いと思います。
先日企業研修を生業とする方から伺った営業のお話では、
通常の新規獲得のアプローチは、新卒入社の4月に合わせ1月頃から接触を試みるようなのですが、
それ以外にも、企業の決算月に合わせたショート研修の売り込みも行っているとのことでした。
これ、どういう事かと言うと、決算期までに一定の利益が出たため、もしくは予算の消化しきれなかったため、
その浮いた予算を社員研修に充てるということがあるんだそうです。
そういう要望があることがわかってからは企業の決算月を把握し、
その前月に合わせてアプローチをして商談を増やしていったというお話を伺いました。
※まぁ、結構当たり前のことだと思いますが、これが出来ていない企業も多いです。
ということは、集めた名刺情報に企業の「決算月」を加えたら、電話やメールでのアプローチの幅が一つ広がるわけです。
これは一例に過ぎませんが、加えられる情報は決算月だけでなく、他にももっと増やせるはずです。
それも全ては相手の都合を考え、どういう情報を切り口にするかによって、
今まで全く相手にされなかったアプローチの仕方に変化を持たせることが可能になります。
そのためにもリード情報を充実させるのは必要なのです。
では「どうやって」リード情報を充実させるのか?
ここでは、上場企業の決算月を集める話を一例として進めていきます。
上場企業であれば決算月を含む様々な情報を得ることが可能です。
企業のコーポレートサイト、四季報、SPEEDAといった企業情報データベースサービスなど。
※SPEEDAはお高いのでここでは割愛します。
実は決算月だけを知るのであれば簡単でして、そういうサイトが存在しています。
そのサイトを見ると月単位、業種単位で企業リストが管理されていますので、
その情報をもとに自社の名刺情報と突き合わせてリード情報を充実させていけば良いだけです。
他には日経新聞のサイトから、決算発表を抽出したり、今やWebから得られる上場企業の情報源は無数に存在します。
公開情報をいかに効率よく集め、それをエクセルなどのデータツールを駆使して保有リードと突き合わせ、
営業活動に活かすリード情報に進化させていくかが、中小企業が取り組むリード情報の充実のさせ方だと私は思います。
手間だけど面倒なことをやる「なぜなら」それだけで他社と違う取り組みができるから
まぁまぁの面倒くさい取り組みだと思います。
あと、これは情報を集めるだけでは終わらず、保有リードを突き合わせて始めて使えるデータになるので、
付き合わせるためのエクセルなどのスキルも必要になります。
※エクセルで簡単にやれる話なので高度なスキルは必要ありません
最後のお話です。
なぜこういうことをやる必要があるのかについてです。
商談が必要なんですよね?
今までのやり方では商談につながらないんですよね?
人を増やすとか、広告を出しまくるとか出来ないんですよね?
それなら、アプローチする相手の企業情報をもっと集める必要があります。
集めた上でもっともっと相手を知る必要があります。
(言い方を変えると相手が置かれた状況をイメージする必要があります。)
だから、リード情報を充実させるんです。
これ、営業マン一人ひとりであれば、言われなくてもやっていることな筈です。
これが、営業ではなくアポイントを取るのが目的のテレアポや、レベルの低いマーケが関わると、
途端にこんなことになってしまうので、リード情報を充実させるところから取り組むべきだと思ってます。
テレアポの商談獲得率を上げるためにも、個人の商談スキルに依存せずに、
アタックリストの源泉となるリード情報の充実が、商談を増やすのに一番の近道ではないかと思います。
メールでのアプローチに関しては、口頭で説明することを文章で届けないといけないため、
セールスライティングの知識やスキルが必要となってきます。
ここに関しては、リード情報の充実とは別記事で説明しますね。