はじめに
インバウンドマーケティングが軌道に乗りだすと、一定の問い合わせが来るようになります。
その後の顧客対応を営業が喜々としてやり始めていくと、すぐに次の課題がやってきます
営業が自分が契約を取れないことが続くと、その責任を自分ではなくマーケに向けてくるようになります。
「問い合わせてほしい企業からの問い合わせではなかった」、
「実際ヒアリングしてみたら全然商談化しない相手だった」、
「ウチだけじゃなくコンペだったから返って大変になった」などなど。
こんな言いたい放題なことを営業からもらうようになります。
そこまで文句言うなら、自分たちで顧客開拓をしてくれという言葉が喉まで出かかるのですが、
それはひとまず飲み込んで、ではどうしようかと考える必要が出てくるわけです。
そもそも自分たちが問い合わせてきて欲しい企業がどんなところなのか、言語化ができていないことが根本の原因にも思えるのですが。。。
あとは、扱うサービスや商材によって、
なんでも良いからまずは問い合わせが欲しい!というケースもあれば、
なんでもかんでも問い合わせが来ても対応することができない!というケースもあると思います。
社内リソースが限られている中小企業であれば尚更ですね。
なので今回は、
本当問い合わせて欲しい企業にお問い合わせ頂くための、問い合わせフォームはどんなものなのか?について語って参ります。
「なぜ」問い合わせて欲しい相手から問い合わせてもらう為には、問い合わせフォームが大事なのか?
説明をするその前に、よくマーケもどきの人がやりがちなケースをご紹介。
※マーケもどきとは?
それっぽい理論は掲げられるが、俯瞰でものが見れないので、自分の成果部分しか気が回らない人種
目先の結果だけ欲しい人が陥るケースは、問い合わせフォームの項目を極力少なくして、
問い合わせするハードルを下げたら、問い合わせが増えるんじゃないかと間違った考えをしている場合があります。
※これ、言い切ってますが、本件の前提はあくまで中小企業の場合なので、ご理解ください
これによって、
問合わせしやすくなる→問い合わせが増える→あとは営業よろしく!
という流れになると思いますが、
ここだけで判断するのは間違いだと私は思います。
マーケもどきの人はこれによって、自分の施策の結果は出てんじゃん!
これで契約に繋げられないのは営業のせいであって自分のせいじゃない!
と思っているはずです。
でもこれって、問い合わせの「数」が増えているだけなのです。
そして、この問い合わせをしやすくすることで、その後の営業負荷が増していることも理解しなければいけません。
問い合わせしやすくしたことで何が理由で営業負荷が増したのか?「なにを」改善したら営業負荷を下げられるのか?
問い合わせは増えたが営業負荷が増したというのはどんなことでしょうか?
実際問合わせは増えた、フォームの項目は社名、名前、メルアド、都道府県をMust入力とし、お問い合わせ内容をWant入力にしているとします。
この状態でお問い合わせをもらった場合に、営業がやることは何でしょうか?
お問い合わせありがとうございますから始まり、自社のサービスについてどういう事を知りたいのかを伺い、
予算がどの程度なのか?導入時期はいつ頃を想定しているのか?
これらをゼロからヒアリングし、聞き出せないことは直接訪問してヒアリングするということが必要です。
こういう問合わせの後工程を無視して、問い合わせしやすいフォームにするのは考えものです。
結果として、その後の営業がうまく行かなかった場合に、マーケの責任にされてしまいます。
そうならないためにも、問い合わせフォームは聞き出す項目を増やしたほうが良いというのが私の考えです。
営業の人数が潤沢にある、俗にいう営業会社は問い合わせフォームの項目を増やさず、
どんどん問い合わせをもらって、その後は営業に渡してなんとかしてもらえばいいと思うのですが、
営業人数が少ない企業の場合、より受注確度の高い企業や、より予算を持っている企業から、問い合わせが来たほうが良いわけです。
なぜなら営業リソースが少ないから。
営業リソースが少ないのに、問い合わせフォームから得られた少ない情報をもとに商談を進めると、
営業がヒアリングにかける時間が単純に増えてしまいます。
それだけヒアリングと訪問に時間を掛けた結果、自社が欲しい企業からのお問い合わせではなかったとなると、
マーケもどきに文句の一つでも言いたくなるのはわかります。
でも、マーケもどきは、そういうのに気づけないので、マーケと営業の中が悪いと言われるのかもしれませんね。
なので、「営業負荷」を下げるためには、事前に聞き出せる情報を問い合わせフォームに設けておくのが大事だと思っています。
営業負荷を下げるために「どうやって」最適な問い合わせフォームの項目を設けるか?
超簡単です。
複数の営業と交流するんです。
営業に個別にヒアリングの時間を30分ほどもらって、最初の商談時にどういうことを相手に聞くかを教えてもらうんです。
その質問事項が、対面の商談時でなければ聞けないことは営業に任せて、最初の問い合わせ時に聞き出せることはフォームで聞いてしまえばいいだけなのです。
例えばこんな感じ。
・役職
– 経営者
– 部長職
– 一般職
・問い合わせ目的
– 情報収集が目的
– 具体的な商談を希望
・予算
– 総額 100万未満
– 総額 100万~300万
– 総額 300万~500万
・導入時期
– すぐにでも
– 3ヶ月以内
– 1年以内
・コンペの可能性
– あり
– なし
「役職」を聞き出すことで、
問い合わせてきた方が決裁権者なのかそうでないのかをざっくり把握出来ます。
「問い合わせ目的」を聞き出すことで、
情報収集が目的の場合は、極論営業が接触しないといった判断が可能になります。
「予算」を聞き出すことで、
どのくらいの予算組みでお問い合わせしてきているのかが把握できます。
「導入時期」を聞き出すことで、
今すぐ追わなければいけないのか、ある程度余裕を持って追っても良いのかの判断が可能になります。
「コンペの可能性」を聞き出すことで、
他社とのコンペの可能性を事前に把握できるので、コンペ前提の提案など事前に把握が可能になります。
これらが問い合わせをもらった時点でざっくり把握できるようになります。
そうすれば、これらの情報をもとに営業が行動しやすくなりますし、今まで何でもかんでも訪問していたのが、
場合によっては訪問せずに電話で対応するということも可能になります。
あとは、問い合わせフォームを有効に使うことで、問い合わせていただきたい企業のフィルタもかけることが可能です。
予算を回答してもらうことで対象顧客かそうでないかを選別することができる「なぜなら」
営業から
「問い合わせてほしい企業からの問い合わせではなかった」
「実際ヒアリングしてみたら全然商談化しない相手だった」
「ウチだけじゃなくコンペだったから返って大変になった」
といった文句をもらわないように、そしてどうやって営業と協力して商談を生み出せるかについての解決策は、
問い合わせフォームに項目を増やすのが大事だということがある程度おわかり頂けたと思います。
その上で、まだ疑問に思っている方はこういうふうに思っているはずです。
「そんなに回答する項目増やしたら面倒くさがって回答してくれないんじゃないの?」と。
個人的には、それで良いと思っています。
要は、営業リソースが少ない企業に対して、気軽に問い合わせが来られたら困るわけです。
本気で問い合わせて欲しいところにだけ問い合わせて欲しいので、そのフィルタとしてフォームの項目を増やします。
本気で相談したいところであれば、フォームの項目が多くても回答して頂けます。
そして、現状の予算をしっかり聞き出すことで、
その予算ではお受けできないお問い合わせなのかどうかも判断することができるようになります。
少ないリソースで営業活動を有効に活かしていくためにも、問い合わせフォームの見直しは大事だと思います。
そして一度の項目修正で正解につながることは少ないと思いますので、数ヶ月に1度フォーム項目の見直しをすることもオススメします。
あ、あといろいろ聞き出したいからと言って、フリー入力の項目を増やすのはオススメしません。
聞き出すなら選択式で回答できる項目を用意してください。
項目を増やしても、問い合わせしやすさを忘れないでください。